TOP Soundcraft Si Compact 製品レビュー② 後編
Si Compact 製品レビュー② 後編
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アップデートでは、チャンネルフェーダーへの割り当て機能も追加されました。任意のフェーダーにFXリターンや、AUXバスマスターなどを割り当てることもできるようになって、使いやすくなりました。パッチも自由度が高く、特にアウトが多い現場では重宝すると思います。 コピー/ペーストは一番に欲しい機能でしたが、アップデートでこれも追加されました。チャンネルコピーは以前からできましたが、EQだけ、フェーダーだけ、コンプだけというように項目ごとにもできるようになりました。特に現場で一番使う、モニターのGEQのチューニングをそのままコピーできるのはとても便利です。 | ||
SHIBUYA LOOP ANNEXでの通常のPAは、10の出力バスを使っています。FOHとモニターで6系統、リアスピーカーで2系統、そしてバー用に2系統です。Si Compactで使用できる21のすべてのバスにはBSS製のGEQが付いていて、効きもいいので気に入っています。マトリクスにもGEQが付いているので、外部のGEQは必要ないです。エフェクターはLexicon社のエフェクトを内蔵しているだけあって、上品な音でミックスにも自然に馴染む音です。特にリバーブのSmall HallとVocal Plateをよく使っています。 | ||
Si Compactでは、設定の内容を保存する手段として、CUEとSHOWという2つの機能を装備しています。CUEは基本的にオーディオ・パラメーターのみ。SHOWはそれに加えて基本設定も保存できるので、演目の変更などに便利です。特に、急いでいる現場のときに、名前を入れる作業は後回しにして、ボタン一つでその状態をCUEで保存できるというのはありがたいです。現場のことをよく考えて作られていると思います。実際の業務ではSHIBUYA LOOP ANNEX用に作ったベースのSHOWデータからオペレーター各々でSHOWデータを作成し、その中にアーティストごとのCUEデータを保存しています。 | ||
Soundcraftはアナログ卓の時代からも好きな音でしたが、Si Compactもその伝統の音を受け継いでいると思います。ヘッドルームは優秀ですしS/Nも良いです。私以外のエンジニアも音に関して好感な印象でした。 | ||
まだまだSi Compactの全部を使いこなした訳ではないですが、バージョンアップしたことで、小規模のライブハウスや設備用のデジタル卓として、最も使いやすい卓になったと言えるのではないでしょうか。さらに、Si CompactをワイヤレスでコントロールするためのiPad用アプリ※が近日公開されるということです。これを使うとステージや客席など実際の場所で音を聴きながら、パラメーターを操作できるので、さらに使い勝手が良くなります。すでにSi Compact用にiPadを買ってしまったので、待ち遠しい限りです。 ※iPad用アプリ『ViSi Remote』は、この原稿を執筆していただいた後に公開されました | ||
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※この記事は「プロサウンド Vol.170 8月号(2012年7月18日)」から転載しています。
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